Vox AC15 Fuse Failure Diagnosis and Repair

Vox AC15CC1 ヒューズ切れ修理

お客様からのご依頼内容

アンプの電源投入時にメインヒューズが繰り返し切れてしまうとのことで修理をご依頼いただきました。

機種について

今回お預かりした機種は Vox AC15CC1 です。

AC15CCシリーズは2005年頃から2010年頃にかけて製造されたモデルで、従来のAC15に搭載されていた整流管(真空管整流)を廃止し、2本のダイオードによるソリッドステート整流回路へ変更した最初のAC15シリーズです。

この変更は、より手頃な価格でオールチューブのVoxアンプを提供することを目的として行われました。

初期点検

電源投入直後にヒューズが切れる症状は、電源回路に問題が発生している場合によく見られます。

今回のアンプではIEC電源ソケット内のメインヒューズが電源投入時に切れていましたが、高電圧回路(B+)およびヒーター回路用の二次側ヒューズは正常な状態でした。

まず外観点検を行いましたが、焼損した部品や膨張したコンデンサなどの明らかな異常は確認できませんでした。

真空管の故障を切り分けるため、すべての真空管を取り外した状態で電源投入試験を行いましたが、同じ症状が発生しました。

この時点で真空管以外の回路に問題があることが分かりました。

故障診断

真空管が原因ではないことを確認した後、電源トランス二次側を回路から切り離し、トランス巻線の抵抗値を測定しました。

測定結果は正常であり、その状態で慎重に電源投入試験を行ったところ、ヒューズは切れませんでした。

この結果から、電源トランス自体は正常であり、故障箇所はトランス以降の電源回路にあると判断しました。

続いてフィルターコンデンサ、ドロッピング抵抗、関連部品を確認しましたが異常は見つかりませんでした。

最後に整流回路で使用されている2本の整流ダイオードをテストしました。

正常なダイオードは一方向にのみ電流を流しますが、テスターのダイオードチェック機能で測定したところ、片側のダイオードが両方向に導通していることが判明しました。

この故障により電源投入時に短絡状態が発生し、他の回路へ電力が供給される前にメインヒューズが切れていたことが分かりました。

修理内容

故障箇所を特定した後、アンプシャーシから基板を取り外し、整流ダイオードへアクセスしました。

AC15CCシリーズは基板へのアクセスがあまり容易ではなく、整流回路に到達するためにかなりの分解作業が必要になります。

故障していたダイオードだけでなく、予防保全の観点から2本とも交換することにしました。

片側のみを交換すると、もう一方のダイオードが近い将来同様の故障を起こす可能性があります。また、同じ型番の新品ダイオードへ揃えることで整流回路の動作バランスも改善されます。

今回は新しい1N4007整流ダイオード2本へ交換を行いました。

交換後にアンプを再組立てし、電源トランス二次側と真空管を再接続して動作確認を実施しました。

その結果、ヒューズ切れは完全に解消され、アンプは正常動作へ復帰しました。

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