Marshall JVM410H Re-Bias and Servicing

Marshall JVM410H バイアス調整およびメンテナンス修理

お客様からのご依頼内容

お客様ご自身で新品のマッチドクアッドEL34出力管へ交換されたため、新しい真空管に合わせたバイアス調整をご希望とのことでした。

また、アンプからノイズが発生しているとのことで、あわせて点検をご依頼いただきました。

機種について

Marshall JVM410Hは、1台で幅広いサウンドをカバーできる非常に多機能な真空管アンプです。

4チャンネル構成に加え、各チャンネルにはグリーン、イエロー、レッドの3種類のモードが搭載されており、合計12種類のサウンドキャラクターを選択できます。

さらに、フットスイッチで切り替え可能な2系統のマスターボリュームや2系統のエフェクトループも搭載されています。

各チャンネルには独立したゲイン、ボリューム、EQコントロールが備わっており、出力段にも多くの調整機能があります。その反面、長年の使用によってノイズが発生しやすい可変抵抗器(ポット)やスイッチが多数搭載されており、フロントパネルだけでも28個のポットがあるため、メンテナンスにはかなりの作業が必要となります。

初期点検

まずアンプをダミーロードへ接続し、オシロスコープで出力波形を確認しました。

この方法により、出力信号に異常なノイズや発振などが発生していないかを確認できます。

出力波形自体は正常でしたが、特定のコントロールに触れると大きなガリノイズやスクラッチノイズが発生していました。

この症状から、可変抵抗器やスイッチ内部の汚れや酸化が原因であると判断しました。

修理内容

ノイズの原因がポットやスイッチの汚れであることを確認した後、フロントパネルの28個すべてのノブを取り外し、各コントロールを固定しているナットとワッシャーを取り外しました。

その後、コントロール基板を慎重に取り外し、ポットやスイッチへ十分にアクセスできる状態にして清掃作業を行いました。

まず電子部品用クリーナーを使用して内部の汚れや酸化物を洗浄し、ポットを何度も回転させて接点をクリーニングしました。

十分に乾燥させた後、接点潤滑剤を塗布し、再度ポットを動かして内部へ浸透させました。

これによりガリノイズは完全に解消され、再度オシロスコープで動作確認を行った結果も良好でした。

出力管バイアス調整

続いて、新しく取り付けられたEL34出力管に合わせてバイアス調整を行いました。

アンプをダミーロードへ接続した状態で動作させ、十分に暖機運転を行った後、バイアス測定ポイントで各出力管ペアの電圧を測定しました。

JVM410Hには2つのバイアス測定ポイントと2つの調整用トリマーが搭載されており、4本の出力管を2組に分けて個別に調整できるようになっています。

このモデルではテストポイントで合計70mV程度が適正値とされているため、それぞれの出力管ペアを35mVに調整し、合計70mVとなるよう設定しました。

Marshallアンプのバイアス調整について

比較的新しいMarshallアンプは、バイアス測定ポイントが用意されているため比較的調整しやすい設計になっています。

少し古いJCMシリーズでは、シャーシを取り外さなくても外部から測定ポイントや調整用トリマーへアクセスできるモデルも存在します。

一方でJVM410Hは、バイアス測定ポイントおよび調整用トリマーへアクセスするためにシャーシを取り外す必要があり、作業にはある程度の分解が必要となります。

最終的にアンプは正常動作を確認し、ノイズの解消と適切なバイアス調整を完了しました。

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